【完】家出少女と、**王子。




突然の頭への衝撃に驚いて振り向くと、日誌を片手に呆れた顔をした桃華が立っていた。



後ろからの奇襲とは…お主、なかなかにやりおるな。


というか、日直って本当のことだったのね。
てっきりあの場から逃げるための嘘だと…



「あ、吉川くん、今日日直だよ。日誌、代わりに取りに行っておいたから!」


「あ、ありがとう…///」



って嘘だったんかーーーい!!

しかも吉川くん何気に頬染めてるし!
なに?!桃華のこと好きなの!??


脳内でツッコミを入れまくってると、「あんた達も!」と日誌をものすごい勢いで向けられる。



怖いよ桃華さん。今『ビュンッ』っていったよ?!日誌ですら武器へと変える彼女の腕、恐るべし。




「ここ教室!流石にイチャつくのはこんくらいにしときなよー、チャイムもなるし。」


「イチャ…っ?!ついてないついてない!!」




しれっと告げる桃華に、私は赤くなりながら全否定。




あーもーやだやだ、恥ずい。


上気した頬を手で押さえて席に着いたと同時に、SHR始まりのチャイムが鳴り響いた。