【完】家出少女と、**王子。





静かに呼びかけると、雪弥は「あぁ、すみません、つい」と離れた。



いや、そうだけどそうじゃなくてね?





「雪弥って、晴と知り合いなの?」


「まぁ…はい、そうですね…。」



なに、そのぎこちない笑み。不自然な目逸らし。

もう「アイツと何かありましたよ〜」って言ってるようなモンじゃん?


バレバレだよ、バーカ。



どーせ教えてくれないんだろうけどね。


むーっと膨れる私の手首を掴んだ雪弥は、「…それよりも」と真剣な顔で覗き込んできた。




「なっ、なななななに?!」



近いんだってばやめてよその距離!!


ここ教室なんだって!!人いるんだって!!!!





「………矢嶋くんと、仲いいんですか?」


「はい?!」



恥ずかしいやらパニックやらで、声が裏返る。



ととととりあえず離れようか!うん!!