「…でも、学校でくらい、もうちょっと一緒にいたい………」
雪弥の手を握って呟くと、彼は焦ったように目を泳がせた。
「えっ、と、あの、それは……
そ、それに学校には彼がーー」
するり、と逃げるように手を離されて、胸が痛んだ、
その瞬間。
「みっさき先輩ー!!」
「っぎゃあ!!?え、え?!は、晴?!ど、どうしたの」
後ろから抱きついてきた晴をひっぺがす視線の端で、雪弥の眉がピクリと動く。
「へへ〜、先輩に会いたすぎて、来ちゃいました♡」
「…あのねぇ……。あんたは私の彼女か何か???」
ヘラヘラと笑う晴にため息を吐いた、その時、体が斜め後ろにガクンと傾く。
「へっ、あ、あの…ふぇ?!」
背中がふわりと暖かくなって、心臓がドキドキと暴れ出す。
なにこれ、晴の時はこんな感じにはならなかったのに。
「…あの。」
雪弥は晴に言ってるんだろうけど、その声は私の耳元で響いて、より一層ドキドキが増した。
待って待って待って!
こんなの、心臓の音聞こえちゃうじゃん…!!



