「湖城くんってさ、バカなの?」







……はい?

ななな何をおっしゃるか桃華さん。


雪弥と言えば、アレだよ?!

テスト10傑に載るくらいの素晴らしい頭脳の持ち主で……



そんな私の思考なんか知らない桃華は雪弥をじぃっと睨んだまま、ズケズケとナイフを投げる。





「美咲を守りたいとか言っといて告白してるし」


「ゔっ」

「かと言えば急に遠ざけたりしてさ」

「ゔぅ…」


「ほんと、なんなの?美咲のこと振り回して楽しんでるの?」




「ち、違います…!

「違わないじゃん!」


バンッと机を叩いて、桃華は雪弥を尚睨み続ける。


…ねぇこれ私の机。

なんて、言えるはずもなく。




「あんたの身勝手な行動で、どれだけ美咲が傷ついたと思ってるの?!

遠ざけるんなら、もうこれ以上美咲と関わらないで。
守るなら…全力で守り抜いて。決して美咲のことを離したりしないで!」


「桃華……….」