はぁー…とため息をこぼすと、桃華は私の背後をチラリと見て、肩をポンと叩いた。


「美咲、それね、後ろの人に言った方がいいと思う。」



「え?…ぅおあっ!??!」




くるりと振り返ると、それはそれは無表情な雪弥くんが立っておりました。


わぁい、めっちゃ怖い☆




「………美咲さん」

「…ハイ」


つぅ…と背筋に嫌な汗が走る。



雪弥だって、こんな影でコソコソ言われるのって、嫌だよね。

あーー…しまったなぁ……。



相談より前に、本人に言えば、こんな変な空気になることもーーーー






「…すみません、全然、気づけて居なくて。
でも、やっぱり美咲さんが傷ついてしまうっていうのは怖くて……」


本当に、すみません、と俯く雪弥に、私は焦る。



「えっ、あ、いや、違うの!
私もちゃんと、雪弥に言えばよかったよね、」


ごめんーーと続けようと口を開くより一歩早く、桃華が「あのさぁ…」と雪弥を見据える。