「っ、」
女子の悲鳴とか、男子の茶化しとか、そんなのは全然気にならないくらい。
…ステージからよく見える校舎。
そこの、2階から、身を乗り出してる雪弥は、そのまま窓から飛び降りた。
「っ雪弥…!」
だけど、やっぱりそこは元不良。
いとも簡単に着地して、私の方へ、ズンズン向かってくる。
ステージを上がって、
私の目の前。
ーそこで、雪弥が視界から消えた。
その代わりに、体があったかくて、動けない。
「…え……!?」
ま、待って、今、抱きしめられーーー?!
キャーッ!!と赤い顔をした女の子達が悲鳴を上げてるけど、こっちはそれどころじゃない。
か〜〜っ、と顔に熱が集まるのがわかる。
「まっ、ま、待って、雪弥。今、みんなの目の前ーーー
「待ちません。」