「…で?なんできたわけ?」
「先輩そんな冷たい目で見ないで下さいよ〜!ゾクゾクきちゃうじゃないですか♡」
ポッと頬を染めてみせる矢嶋くんに、頬が引きつる。
なんなんだこいつは。
「…で???何の用ですかー?」
ニコニコと引きつった笑みを浮かべると、矢嶋くんは出されたパンケーキをモグモグと食べ始める。
……なんか、ハムスターみたい。
「先輩、ボク言ったじゃないですか。2日目空けといてくださいね〜、って!」
「ああ、言ってたね……」
「だから、来ちゃいました!!」
…今じゃなくても良くない?午後とかさ。
あ、でも13時からは例のイベントがあったっけか。
悶々としていると、「ご馳走様でした!」と矢嶋くんが手を合わせる。
「先輩、料理上手なんですねー」
「それ今関係なくない?…で?2日目を空けておいてほしかった理由は?」
「話があるので」
「それはここで話せること?」
「話せないこと、です」
テキトーに聞き流そうとしていたけれど、矢嶋くんの真剣な目に、思わずギクリとする。
「……そ。じゃあ移動しよ」
立ち上がった時に、椅子の音がやけに響いた気がした。



