『いらっしゃいませー!』
綺麗にハモるメイドと執事の声を聞きながら、私はフライパンの中の生地をひっくり返す。
「よっ、と」
…なんかさ、これ昨日と全く同じ気がするんだけど。
激しくデジャヴだよね。…私、デジャヴ感じるの多いな。
今日だってほら、クリームないし。
予め用意しといてほしいよね、全く。
「えぇっと、クリームはー…」
……昨日は、ここでクラスメイトの子が悲鳴をあげてたんだよな〜…
なんて思いつつ、無事クリームを見つけるーー……
「みっさきせんぱーい!!」
ハズ、だったのに。
しかもこの声、この呼び方。
私の知る限りでは1人しかいないんだけど。
「矢嶋くん。ここね、クラスの人以外立ち入り禁止だから」
「そーなんですか?じゃあ座って待ってます!!!」
……そのまま回れ右でも回れ左でもして帰ってくれてよかったのにな。



