大袈裟なくらいにため息を吐く私の隣で、桃華は「もうここまで来たんだから諦めな。」とでも言いたげに私の肩を叩く。
「もう…ほんっとわけわかんない……」
ただいま、教室の前。
多分、中では開店準備やらなんやらに追われてるんだろう。
…今日の私の仕事は、午前だけだったかな。
再び、はぁ……とため息を吐くと、焦れた桃華が
「もう!さっさと入る!!!」
思いっきり背中を押した。
「えっ!?ちょっ、ちょっと…!」
ーーガラッ
「あ、立花さん、桃華!おはよっ」
「お、おはよ……」
満面の笑みで挨拶をしてくれる彼女に、私はただただ苦笑いを浮かべるばかり。
…どうしよう。
このまま回れ右をして帰る、という選択肢が、
……なくなってしまいました……。