いや別に男子のこと全員カッコいいとかそんなバカみたいなことは思ってない、けど…


「雪弥がやっぱ、こう……」

手袋はめてる姿ですら、目を奪われそう。



「っ!」


雪弥が不意に上げた視線が、私の視線と絡む。


ドキッ、と心臓が跳ねた時には……



私は、雪弥から目を逸らしていた。



「………」

「………」



あれぇ!?こ、こんなんで明日の告白大会大丈夫か私?!!





「バカ、何してんのよ美咲。」

「んなの自分が一番わかってる!!」



桃華に後ろから肩を叩かれる。

……やっぱり、「カッコイイ」とか、「似合ってる」とか、他の女の子達みたいに素直になったら、雪弥は私のこと見てくれるんだろうか。
言っとけば良かったかな……。

後悔の念が押し寄せ、私は顔を伏せたーー





パンッッ!

「バカ私!!!!」


暗い気持ちになんてなってちゃダメだ。
雪弥が以前「好き」と言ってくれた私は、媚び売るようなキモい私じゃないんでしょ?

自信持たないと!!!!



自身の頬をいきなり叩いて叫んだ私に、桃華はいきなりどうした、と大きな瞳を更に大きくして振り返る。



「な、何してんの、美咲…」

「……さぁ。」



桃華とは若干ギクシャクした空気を纏いながら。




文化祭、1日目が始まる。