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「では、わたし達のクラスは喫茶店をすることにします。よろしいでしょうか?」
『さんせーい!!!』
「……はぁ………」
桃華と告白大会うんぬんって話してた時は、まだまだ先だと思ってたのに…。
いつの間にやら、私達のクラスの出し物も決まってしまって、学校中が文化祭の色一色に染まっていた。
はあ、気が重いよ……。
文化祭なんて、一生来なくてもいい。
そう思ってた時。
「美咲先輩っ!」
「!?」
聞き覚えのある声が耳元で聞こえて、私は大袈裟に身体を揺らした。
「や、矢嶋くん……」
「お久しぶりです♡」
「お、お久しぶり……」
ていうか、なんでこのクラスに?
そう思って見回せば、クラスの大半は帰ってしまったらしく、夕日の照らす教室には、クラスメイト数人と、私と、桃華と、矢嶋くんと……それと、雪弥。
桃華は流石に彼と私の間に割って入って質問する勇気はなかったのか、「誰?あいつ」と雪弥に訊いていた。
『あいつ』って…。
桃華さん、それは姫の君が使う言葉じゃないと思うんだな、私。
そうして2、3言話したかと思うと、桃華は雪弥の首根っこを引っ掴んだ。
「?!な、何するんですか、桃華さん!?」
「邪魔者は退散しなくちゃ〜♡
じゃ、矢嶋くん、美咲とごゆっくり〜」
「ちょっ、桃華…!??」
待って!2人にしないで〜!!!
ーーーーガラガラ、ピシャン
そんな願いも虚しく、桃華達は出て行ってしまった。
ぐるりと教室を見回すも、クラスメイトの数人も空気を読んで、みんな廊下に出ていた。
こんな時だけ空気読まれても、困るんだけどー?!???!!!



