「作戦会議?」
聞き返すと、桃華は満面の笑みで頷く。
「やっぱさ、もう一回告白してみるべきだと思うんだよね、あたし。」
「えっ。」
なんで、というより早く、彼女は1人、ぶつぶつと呟きながら、体を起こす。
「んー、定番は文化祭の『あのイベント』だよね。美咲はどう思う?」
『あのイベント』とは。
……実は私も全く知らない。
「なんだっけ。それ」
「えー、美咲、知らないの?!2年も通ってて?!!」
あまりにわざとらしく驚くから、思わず眉間に皺が寄ってしまう。
「あっ….と、ヤダ美咲、そんなに怒んないでよ。教えるからさ!」
あっ、ヤベ!みたいな表情を一瞬見せた後、桃華はそれを隠すかのようにねっ!ウィンクをする。
いや、別に、そんなに怒ってるわけでもないんだけど。
「このイベント、結構有名だし、知ってるかと思ってたけど。美咲はそーゆーのに興味なさげだったもんね〜。毎日毎日、喧嘩三昧でさ。」
言いながら、スカートのポケットから、スマホを取り出す。
「………教えてくれるんじゃなかったの。話題逸らさないでよ。」
軽く睨みながら、私も上半身を起こし、そのまま桃華のスマホへと視線を移動させた。



