その言い方に、心の底からイラっとくるものがあった。


なんなの、こいつら…!




「だから!!部外者じゃないって言ってんでしょーが!
あんたの方こそ雪弥となんの関係もないくせに、腰抜けとか言ってんじゃねーよ!!!」



そいつの顎を蹴り飛ばすと、雪弥の表情が明らかに「焦り」に変わる。




「こんのアマ……!!!」


その瞬間、左頬に鈍い痛みが走った。



「っ?!!」

「美咲さん!!!!!」



駆け寄る雪弥の手を、振り払う。


今がなんでもない時だったら、私はきっとこんなことしない。

でも。
今の私は若干キレてた。



「ってーな……」




呟いて、数人に一気に殴りかかる。

殴られては殴り返して、相手に傷を負わす。



けど、1対複数。勝てるはずもなく。
私は押さえつけられた。



1人の男が気色悪い笑みを浮かべる。





「ーーーー落ちろ」


そう言って、奴は拳を振り上げた。



……流石にこれはマズイ!

そう思って、固く目を閉じる。






「…………………あれ?」



痛みが…こない……?





そっと目を開けると、そこには拳を片手で受け止めている雪弥がいた。