目の前に広がるのは、あまりにも信じがたい光景。


ーーーー雪弥が、明らか不良な男数人に絡まれていた。




……なんだこれは、夢?幻?

そう思ってゴシゴシ目をこするけど、うん。夢でも幻でもない。


現実だ。




「……………。」


……取り敢えずここは、深呼吸だ。
うん、落ち着くのが一番だよね。



ヒッヒッフー。






ーー…何ガドウシテコウナッタ?!

今の一瞬で何があった!??




「…あんた達、私の知り合いに何してんのよ?」


私に一番近い位置にいた男の手を掴むと、そいつはウザったそうに私を見た。




「誰だよ、お前。オレらが用あんのは、この腰抜けだけなんだけど」



そう言って、雪弥の髪を引っ張る。



「ゔっ…」


「ちょっと!!雪弥から手、離しなさいよ!」




踏み込んで殴りにかかると、気づかないうちに後ろに回り込んでいた別の男に腕を掴まれた。


そのままグイ、と手を引かれる。




「ーーっ!」

「今ならまだ許してやるよ。部外者はさっさと帰んな。」