【完】家出少女と、**王子。





「ちょ、も、桃華?一体何ーー「聞くんでしょ?」


真剣な眼差しに、ぐ、と言葉に詰まる。





「そ、それは桃華が……」



ーーー言いかけて、やめた。




確かに、桃華が言ったからっていうのも、少なからずあるかもしれない。

だけど確かに、私自身も聞きたい。



雪弥の、本当の気持ち。





「……ごめん。行ってくる……!!」


鞄をひっつかんで、教室の外ーー雪弥の元へと走る。


視界の端に、ひらひらと手を振る桃華の姿が見えた。






ありがとね、桃華。



私………頑張るよ。