【完】家出少女と、**王子。








え、え、ええ?!


待って、整理が追いつかない!!!


つまり、私と雪弥は、別れて…ない、って、ことでいいの……??







何それ、すごく、嬉しい…。



「ね?そうですよね?」と半ば威圧的に同意を求められ、私は慌てて首を縦にふる。



って、別に威圧的じゃなくても首、縦に振ってたけどね。




「………わかりました、今は引きます。でも、湖城先輩。ボクは諦める気はありませんので。」



最後まで雪弥を睨みながら、矢嶋くんは行ってしまった。






「ゆ、雪弥……!」


「………なんですか?」


………やっぱり、顔は見てくれないんだ?


「さっきの、別れてないって…どういうこと?」



私のこと、ホントは嫌ってないってこと?
ねえ、わかんないよ、雪弥…。



だけど、雪弥から返ってきた言葉は、当然っちゃ当然だけど、私をショックにさせるには、十分すぎるものだった。




「だって、僕と美咲さんは、別れるも何も、実際では付き合ってすらいないじゃないですか。」