【完】家出少女と、**王子。






……なんか、いつにも増して空気が冷たい気が…???



「……美咲さんに、何してるんですか?」




ゾッ、と鳥肌が立つのと同時に、久しぶりに聞くそのちょっと低い声に、キュッと胸が締め付けられる。


………こんな状況でもキュンと出来るなんて、いつから私はこんなに『女の子』になってしまったんだろう。





「何って…告白ですけど。立花先輩と別れた、湖城先輩には関係ありませんよね?それともまだ、未練でもあるんですか??」




バチバチと火花を散らす二人に、自然と私は後ずさり。



「未練も何もーーー……」


「えっ、わっ!??」



私はまた腕を引かれて、雪弥に肩を抱かれる。



「僕達は別れていませんけど。何をウソの情報に惑わされているのか知りませんが、これ以上美咲さんには近づかないで下さい。」