さてさて。
私は校舎裏に向かって歩く。
これまで喧嘩負けなしのこの私に喧嘩を売るなんて命知らずなヤツの顔、拝んでやりましょうかね!
「…って、」
待って待って、なんか…おかしくない?
そこで待っていたのは、明らかに「ボク、喧嘩なんてしたことありませんっ」て感じの男の娘……いや、男の子。
多分、後輩…だよね、雰囲気的に。
「ねぇ、君。」
私のことを待ってるっていうヤツは、一体どこに行ったんだろう。
「はい?」
「ここら辺に喧嘩してそーな男とか来なかった?」
訊くとその男の子は、不思議そうに首を傾げる。
「来てませんけど…。でも、立花先輩を待ってる人っていうのは、ボクですよ?」
……は?
「え?なん…え…??でも君、喧嘩とかしそうなタイプじゃないよね…?」



