【完】家出少女と、**王子。






よし、言えた!普通(?)に言えた!!


そんな気持ちを隠しつつ、私は雪弥から「おはようございます」がもらえる瞬間を待つ。




…待つ。





…………あれ??




流石に遅くない?と思って雪弥の顔をちらりと覗き込むと、雪弥もチラリとだけこちらを見た。





「……………。」


ペコ、と気持ちばかりの会釈を添え、再び雪弥は本の世界に戻って行ってしまう。


な、な、



何だ今の!??挨拶?!ウソでしょ?!!



ガーーーンッッと頭に重い空気がのしかかる。



雪弥、朝の挨拶すらもしてくれないの?

ちょっとの喧嘩で、そこまでする??



「ど、ドンマイ美咲っ」という桃華の声を受け、私は取り敢えず着席。





………まだチャンスはあるし!


うん!頑張ろう!!!