もう、本当に桃華は…….。
役得だよ。彼女みたいな可愛らしい女の子、怒れる訳ないじゃん???
だから代わりに、私は「はぁあ…」ため息を吐いた。
「……そうだよ。私、雪弥のことが、その…す、好き、って、いうか……」
『なぁに?聞こえなーい!笑』
「もう!桃華っ!!!」
聞こえてない訳ないでしょ!と少し声を大きくすると、桃華はごめんごめん、とまだ笑ってた。
……ホントに悪いって思ってんのかね。
『でも、よかった。美咲が自分の気持ちに正直になってくれて。』
電話越しの桃華の声に、少し心臓がドキリとした。
……うん、うん。
雪弥とはもう、上手くいかないかもしれないけど、「雪弥のことが好き」って気持ちを認めたらさ、なんか…こう、スッキリした。
「桃華…」
『うん?』
「ありがと。」
すると、桃華はえへへ…とはにかんだように笑った。



