ドキリ、と胸が音を立てる。

うーん、私の心は中々に正直ものだよね。
…言動とかも正直なら、雪弥と離れることなんて、なかったのかな……。



『おーい、美咲?話聞いてるの〜?』


「ああ、ごめんごめん。まぁ…ね。
てかもう夏休み中盤なんですけど。気になってたならもっと前から電話しなさいよ」


別に、桃華からの電話を待ってたわけじゃないけどさ。

でもそんな夏休みのド真ん中になって言われても…せっかく、雪弥とのこと、忘れようとしてたのに。


『ゴメンね〜、あたしはじめの方海外旅行しててさ〜。で、なんかあったの?それとも何もなかったの??』




桃華の言葉って、ツッコミどころ多い気がするんだよ、前々から思ってたけど。

海外旅行ってなに。最近の若者はすぐ日本から出てっちゃうの!?なに?!金持ちなの、みんな!!???



で、でも、ここは敢えて、敢えてのスルーで!夏休み明けたらしっかり取り調べするし!


私は思考をパッと切り替える。

……流石に、桃華に相談して迷惑かけるのは…….ね。






「…な、なにも、なかったよ?」