トイレに駆け込んで、個室に鍵をかける。
「……っ、ふっ…ぅ……」
目を堅く閉じても、後から後から涙が止まらない。
………気づいちゃった。「この気持ち」の正体。
まさか、こんなになってから気づくなんてね。
ーーーーーー違う。
本当は、気づいてた。
この気持ちに、蓋をしていただけ。
認めたくなかっただけだ。
でも、もう、ムリだよ。
もうこれ以上、自分を誤魔化すことなんて出来ない。
……雪弥、飽きたなんて、例えニセカノだったとしても、別れようなんて、あんまりだよ。
だって私はーーー……
「こんなにも、好きなのに…っ」
その日私は、終業式をサボった。