「美咲さん。僕のことはもう、名前で呼ばないでください。

付き合っている、という設定も、もう、消去です。」





ドクンッ………と心臓が波打つのが聞こえる。



……え…?ウソ、でしょ………??






目の前が一瞬真っ暗になって、私はブンブンと首を振った。



「な、何で…?」

「……飽きたんです。美咲さんに。

それに、美咲さんも僕のことはあまり好きではないようですし、ここらが辞めどきだと思いまして。」


ドン、と脳の奥に重く衝撃が走る。



ちょっと……待ちなさいよ。



「なんで雪弥がそんなこと決めんの!??
私別に雪弥のこと嫌いだなんて言ってないって、……そう言ってんじゃん!!


それに、飽きた、って………じゃあ私のこの気持ちはどうしてくれんのよ!」




そこまで言ってから、私はハッとする。


「私の、気持ちって…美咲さん、もしかして

「〜〜〜っ、うっさい!!!!
とにかく、私の許可なく別れるなんて、絶対許さないからっ!!!!!」






雪弥に向かって叫んだ後、私は空き教室から飛び出した。