雪弥の言葉にビックリして、私は顔を上げた。
「……っっ!」
そんな……
表情がさっきから、何も変わってない。
私の気持ちが、届かなかったの?
雪弥は私を、否定もしなければ、肯定もしないの?
再度背中を向ける雪弥の背中に、私は手を伸ばす。
「だから、待ってってば!雪弥!!」
ーーーーパンッッッ!!!!
…え?
私は、今起きたことが理解できずに、ポカンと口を開く。
……左手が、じんじん痛い。
それよりもーー
心が。
心が、痛い。
「ゆ、雪弥……?」
恐る恐る覗き込むと、彼は少し傷ついた顔をした……ように、見えた。



