年下君主




【大和side】



一目惚れだった。


偶然、廊下で見掛けた1コ上の先輩。


色白でキレイな長い黒髪に、一瞬で俺は落とされた。


すぐに俺のモノにしたかったのに………。



「いやいや、トイレはねぇだろ…」


隣の席の咲田翔太郎(サキタ ショウタロウ)が苦い顔をする。


日本に来て初めて出来た友達。


金髪の俺と真逆で、黒髪の爽やかなヤツだ。


「トイレはフラれて当然。お前が悪い」

「好きなんだから仕方ねぇだろ‼︎」

「あのな〜…あんまりガッツクと、カラダ目当てって勘違いされるぞ?」

「もちろん、カラダも目当て」

「ははっ‼︎さすが、帰国子女‼︎大胆〜」


大胆なのか分からん……。


ただ、俺は直球に動いてるだけ。


好きな時に、好きな様に…。


「なぁ、翔太郎。キスもダメか?」

「だから、お前はド直球過ぎるんだよ‼︎なんなの?」

「滝原大和です」

「いや、別に自己紹介聞いてねぇから…」


好きなのに何が悪いんだ?