年下君主




むせ返る佑馬の顔は真っ赤。


変なこと聞いたのは重々承知‼︎


「急に変な質問すんなよ‼︎バカ‼︎」

「だって、気になったから‼︎」

「…俺は、好きな女の子としかキスしねぇ。もちろん、それ以上のコトも」

「普通はそうだよねぇ〜…」



せっかく連絡先を交換したのに音沙汰ナシ。


学校でも会うことナシ。


まず、ほんとに好きな女の子に女子トイレの前で告白する⁉︎


その時点で変だもん。



あたしは、机の中からスマホを出し〝瀧原大和〟の名前をタッチした。


『削除しますか?』の文字に『はい』。



ハーフのカッコイイ男の子に告られて、ファーストキスを奪われる………


そんな急展開にロマンチックな話ある訳ない。


あれは、きっと夢だ…。


うん、夢に違いない‼︎


ご飯を口に詰めて、ぐっと込み上げる何かを堪えた。



あたしみたいな平凡なヤツに、あんなカッコイイ子は釣り合わない。