駅で奈々花と別れた後の帰り道。


そいえば、今日ずっとスマホ見てないや。


なんて、スマホの電源を入れた瞬間につい画面を二度見。



『不在着信:5件』



5件も電話って……。


しかも、相手は『瀧原大和』。


電話掛け直さないのも感じ悪いよね……。


少し震える指先で『発信』を押すと、3コール程で聞こえた大和の声。


『…柚子ちゃん?』

「あ、うん…。あたしだけど…」

『電話無視かよ。コラ』

「バイトだったんだから。仕方ないでしょ」

『せっかく会ってやろうかと思ったのに』


めちゃくちゃ上から目線じゃん‼︎


可愛くないな〜……。


「嘘付き。大和があたしに会いたいんでしょー?」

『あー…そうかも。すっげー会いたい』


やっぱ可愛い、かも。


大和の素直な言葉が嬉しくて頬が緩む。


『今度、俺んち来いよ』

「また急だね…」

『だって、プールあるし遊び放題だから』

「坊ちゃん発言出ました‼︎」


確かに、お庭におっきなプールあったけどさ‼︎