だって、夏休みって軽く1ヶ月はあるだろ?


1ヶ月会えないとか俺もう無理……。


「奈々花に良いバイト紹介してもらったんだよね‼︎時給もけっこー良いし…」

「柚子ちゃんは平気?」

「何が?」

「俺に会えないこと」

「えっ、まぁ……うん」


俺を見上げる冷静な顔。


今、否定しなかったよな⁉︎


ショック倍増なんだけど………。


「だって、ずっと会えないわけじゃないよ?連絡さえくれれば会えるもん」

「俺、柚子ちゃんに会えないこと平気じゃない‼︎でも、柚子ちゃんは平気なんだろ⁉︎」

「ちょっ、そんな怒んないでよ‼︎」

「怒ってねーよ‼︎」

「誰も会いたくないって言ってないのに…」


俺らの間に流れる重たく不穏な空気。


俺は悪くない。


「もう知らねぇ。浮気してやる」

「はい⁉︎出来るもんならしてみれば⁉︎大和なんか、もう知らない……」



ほんっとに腹立った。


マジで女の子んとこ行ってやる。


すぐに、翔太郎に電話してカラオケに向かった。