年下君主




半ば強引に背中を押されて、シャワーを浴びた俺。


脱衣所には、畳まれたスエットが置いてあった。


「柚子ちゃーん。コレ着て良いの?」

「お父さんのだけど。サイズどう?」

「短い‼︎寸法足りねぇ‼︎」

「あははっ‼︎制服乾燥掛けてるから、我慢してね」


スエットの下だけ履こう…。


上は短くて無理‼︎



「ん〜‼︎さっぱりした。ありがとー」

「きゃーっ‼︎裸でくっつくなー‼︎」

「裸じゃねーよ。下履いてるし」

「そうゆう問題じゃなくて‼︎」

「黙って俺に抱かれてろよ」


ぎゅっと腕の中に閉じ込めてしまえば、大人しくなる。


耳まで赤い。


そっと、耳に触れるとビクッと肩が揺れた。


「や、やめて…っ。ねっ?」

「そんな表情煽るだけ」

「ほんっとに生意気‼︎」


生意気かもね。


でも、柚子ちゃんに対する気持ちは真面目。


「髪…乾かしてあげるから。座りなよ」

「マジで?良いの⁉︎」

「風邪引かれたら困るもん‼︎」

「今のでもっと好きんなった」


柚子ちゃん照れ過ぎ…。


俺の髪に触れる指が、くすぐったくて嬉しかった。