走って10分程で着いた柚子ちゃんちは、5階建てのマンション。
「着いた〜…。大和‼︎ごめん‼︎ブレザーびしゃびしゃだ……」
「別に良いって。つーか、柚子ちゃんち何階?」
「ウチは5階だよ」
「エレベーターは…」
「残念ながら、エレベーターはありません」
全速力で走った上に、頭からずぶ濡れの俺。
階段キツイって‼︎
「今、鍵開けるから待っててね〜」
「ん…。待つ」
「…はい、どーぞ。大和のお家の倍に狭いけど許してねっ」
苦笑する柚子ちゃんの言う通り、けっこー狭め。
天井低っ‼︎
つい、頭を屈めて歩く。
「タオル使って‼︎大和、風邪引いちゃいそう…」
「ありがと。俺、そんな弱くねぇ」
「良かったらシャワー使う?」
「え、誘ってんの?」
「違うわ、バカ‼︎心配して言ってんのー‼︎」
真っ赤な顔もすっげー可愛いんだって。
二人きりだし、ちょっと期待もするけど………。

