年下君主




たとえ授業中だって、俺の頭ん中は柚子ちゃんでいっぱい。


4時間目の古文の授業中、眠たくなってふと窓の外を見た。


すると、グラウンドでサッカーしてる女の子達。


あ………柚子ちゃんと奈々花ちゃん発見。


キレキレに動く奈々花ちゃんと真逆で、すげー鈍い動きの柚子ちゃん。


運動音痴ってやつか…。


まぁ、そんなとこも可愛いや。


「瀧原‼︎外ばかり見てないで、ノートを書きなさい‼︎」

「仕方ないじゃん。彼女見たいんだから」


隣の席の翔太郎含む、教室中から冷やかしの声。


そんな調子こいてた俺に、古文のおばちゃん先生から制裁…。


「放課後、居残りしてこのプリントを提出しなさい。出来次第、職員室に持って来るように‼︎」

「はぁ⁉︎それ、俺が停学中のやつ‼︎」

「はい。プリント提出しないと、評定付かないわよ〜」

「…分かった。やる」


俺、マジで古文出来ねぇのにー…。


翔太郎に助けの目線を送る。


「わりぃ。今日、バイトなんだわ」


友達よりバイトか、コラ‼︎



今日は柚子ちゃんと一緒に帰れない…。


テンション急下降。