あたし達が席で騒いでいると、隣の席にドカッと明るい茶髪の男子が座った。


「柚子‼︎お前、彼氏出来たのか⁉︎どこのどいつだよ⁉︎」

「奈々花も佑馬も話進めんの好きだよね…」


焦った顔で、あたしを問い詰めるコイツは松下佑馬(マツシタ ユウマ)。


年中日焼けした肌に白い歯が目立つ、サッカーバカ。


1年の時から同じクラスの男友達。


「違うよ、佑馬〜。柚子、あのハーフの王子様に告られたの‼︎」

「はぁ〜⁉︎お前、アイツのこと好きなのか?」

「好きでもないし、あたし遊ばれただけだよ。絶対‼︎」

「遊ばれた⁉︎それも腹立つな…。1年の教室行って来るわ」

「バカ‼︎何言ってんのよ‼︎」


全力で佑馬の制服の裾を引っ張る。


脳筋で突拍子も無いんだから‼︎



そんな時、ちょうど良く授業開始のチャイムが鳴った。


次、数学か〜……。


「あ、やべ。柚子、数学の教科書見せて」

「佑馬のバーカ…」

「俺、なんかしましたっけ…」


ただの八つ当たり。


年下に遊ばれるとか、最低じゃん‼︎