年下君主




堪らずキスしようと顔を近付けた時に、バシッと頭を叩かれた。


これ、地味に痛い…‼︎


「人前でキスしたら別れる」

「人前じゃなきゃ良いんだな?行くぞ、柚子ちゃん」

「ちょっ‼︎どこ連れてくの〜‼︎」



放課後の静かな空き教室。


たじろぐ柚子ちゃんを壁に追い込んだ。


「なっ、何するの…?」

「キス。柚子ちゃんとキスしたい」

「待った‼︎なんで急に⁉︎今、帰ろうとしてたよね⁉︎」

「柚子ちゃんが可愛くて我慢の限界きたから。なんなら、襲いたいくらい?」

「大和‼︎待て‼︎待てだよ‼︎」


俺は、聞き分けの良いペットじゃありませーん。


ぎゅっと細い腰を抱きしめて、唇を塞いだ。


柚子ちゃんとのキスは好き…。


「…っ、ダメ…」

「女の子のダメは、もっとって意味だって翔太郎が言ってた」

「翔太郎君のバカ〜‼︎」


気が済むまでキスをして、手繋いで帰った。


今の俺は最高に幸せ。