年下君主




黙り込んでしまうと、勢い良くドアが開いた。


目の前には、スウェットの部屋着姿で、ぺちゃんこ金髪の大和君。


「柚子ちゃんだ‼︎会いに来てくれたのか⁉︎すげー嬉しい……」

「ちょっ、大和君‼︎離してー‼︎」

「ヤダ‼︎会いたかったんだよ〜…」


ぎゅーっと抱きしめられ、大和君の金髪がくすぐったい…。


苦しい〜‼︎


「部屋汚ぇけど入って?」

「うわ〜…。暴れたの…?」

「これで普通だけど?」

「そ、そうなんだ…」


服や漫画が散乱……。


バスケットボールに、パンツまで落ちてるよ…‼︎


ただ、ウチのリビングが丸々入りそうな程広い部屋だ。


「座る場所ねぇし、ベッドにでも座って」

「ベッド⁉︎」

「なに?意識しちゃった?柚子ちゃん、やらしい〜」

「先輩をからかうなっ‼︎」

「痛っ‼︎せっかく、チョコやろうと思ったのに‼︎」


叩いた頭を摩りながら、冷蔵庫に手を掛けた。


部屋に冷蔵庫って、どんだけお坊っちゃま⁉︎