年下君主




電車に揺られること20分。


駅から出て広がる光景は、まさに高級住宅街‼︎


ひぇ〜………あたし場違い⁉︎



その中でも、より一層大きく目立つレンガ造りのお家。


住所的にここだ……。


少し震える指でインターホンを押すと、高らかな女性の声が。


『どちら様?』

「あっ、えっと…瀧原大和君と同じ学校の者です。プリント届けに来ました」

『あら‼︎お友達ね〜‼︎どうぞ〜』


お友達、なんでしょうか…。


すると、ガチャッとドアが開き金髪ウェーブの美人さんが迎えてくれた。


グリーンの瞳とか、どことなく大和君に似てる気がする……。


「お友達?それとも、大和のgirl friend?」

「お、おおお友達ですっ‼︎三条柚子です‼︎」

「ユズ?cute‼︎さぁ、中に入って‼︎大和は2階の一番奥の部屋よ〜」

「ありがとうございます‼︎」


大和君のお姉さんかな。


すっごく美人さんだよ‼︎



言われた通り、2階の突き当たりの部屋を数回ノック。


「なんだよ」


不機嫌な声に、つい肩が震える。