年下君主




待つこと15分。


下駄箱に来た黒髪の女の子は、間違いなく柚子ちゃんで。


「柚子ちゃん‼︎」

「あっ…」

「一緒に帰りたいから待ってた」

「…ごめん。あたし、大和君とは一緒にいられないや…」

「は?」


俯いたまま、申し訳なさそうに話す。


これって…俺、フラれた?


「あたし…大和君のこと、好きじゃないから…。本当にごめん…」


小走りで俺の横を通り過ぎてった好きな人。


あぁ……フラれるってこんな感じなんだ。


正直、女の子に初めてフラれた。


うわ〜………けっこーツライ…。



この日は家に帰ってもずっと部屋に閉じこもってた。


好きになってもらえないなら、どうしたら良い?


俺はまだ柚子ちゃんのこと、すげぇ好き。


ベッドに体を放り投げ、考え続けると一つ思い浮かんだ事。



俺のこと好きじゃなくて良い。


俺が、柚子ちゃんを惚れさせる‼︎