年下君主




つい先月まで、アメリカ暮らしだった俺。


なんか知らねぇけど、日本来てからめちゃくちゃモテる。


朝、登校してからずっと騒がれっぱはし。


「大和君‼︎あたし、大和君が好きっ」

「俺、嫌い」

「…っ、ひどい…」


泣かせちゃった……。


結果、隣にいた翔太郎に怒られる。


「少し言葉に気ぃ使え‼︎」

「だって、俺の好きな子は柚子ちゃんだから嘘付けねぇ」

「はぁ〜…。そんなんじゃ、柚子ちゃんにも嫌われるぞ」

「それは嫌だな……」


今まで彼女ぐらいいた事ある。


でも、こんなに好きな子は初めて。


だから、柚子ちゃんには嫌われたくねぇかな……。



「あれから連絡も来てねーんだろ?」

「俺、嫌われてんのか⁉︎」

「気になるなら、面と向かって聞いて来いよ」

「放課後会って来る」


テキトーに授業を聞き流して過ごし、やっと放課後。


1人玄関で、柚子ちゃんを待つ。