竜門くんと数学のお時間





「つまり」


「はい」


「お前を手元に置いておきたいってことで」



竜門くんが何かを振り切るように、立ち上がった。



「………付き合って、って意味!」



ふーん、なるほど…。


なるほど? え、どういうこと?


付き合ってって意味、って何!?



「ふえぇっ!?」



教室内に響き渡る、私の叫び声。


竜門くんは恥ずかしそうに私から視線を外して、口を結んでいる。



「え、なんでそうなっ、え?」


「……好きだからだけど」


「えっ、わけわかんない!」


「あーもういいだろ!」



竜門くんから髪をぐしゃぐしゃにされる私は急展開に驚いていた。


不器用な彼なりの告白だったということが、わかった、んだけど。



「ちょっと、状況についていけない…」


「鈍感すぎだよ、お前」


「そうかな?」


「そうだろ。だって俺、必要以上にお前に構ってたし」


「そうなの!?」


「ばか。気付いてなかったのなんてお前くらいだぞ」



言われて教室内を見渡してみると、みんながニヤニヤした顔でこちらを向いていた。



「みんな知って…?」


「知ってたよー」



みんながみんな、口を揃えて知っていたと言う。


知らなかったのは、私だけだったのか。


そういえば、芹ちゃんにバレバレだと言われたんだった。


そっか、芹ちゃんの言う通りみんな知ってたのか。