うんうん、と1人満足気にしていると、腕を掴まれた。
誰に?
この教室にいるのは今、私と竜門くんだけ。
てことは、…………嘘でしょ。
「なに盗撮してんだよ、バカ犬」
嘘じゃありません。
俺様御曹司さまのご起床でございます。
「とっ、とととと盗撮なんてしてませんっ」
「あ? シャッター音聞こえたんだけど。今更遅えよ」
さっきまでの可愛い寝顔はなんだったの。
起きた途端、私に頭突きしてきた竜門くん。
おでこがコツンと当たってドキッとしたけれど、勢いが強かったから正直痛い。
だから残念だけど、ドキドキ半減。
「で、なんでここにいんの」
「え?」
「え? じゃねーよ」
「あ、……」
そうだった、竜門くんにバレてしまった時どう言うかを考えておかなきゃいけないんだった。
どう言えばいいかなー……。
竜門くんに会いに来ました、なんて言えないし。
…………いや、ここでぶっちゃけてしまった方が意識してもらえるようになる…?
「りゅっ、」
「りゅ?」
「竜門くんに会いに来ました…っ!」
吉野花、言い切りました……!
恥ずかしさで顔を背けてしまいたくなる。
だけど、ここで逸らしたら何か負けたような気がする。
だから、しっかり立っていられるように足に力を入れて、真っ赤な顔のまま竜門くんを見つめる。


