誰もいないBARで一頻り唇を重ねた。


彼の熱が私の奥深くに火を灯していく。


彼はこちら側に出てくると私を抱き上げカウンターに座らせる。


そしてまた奪われる唇。


性急に深くなる口付けに息苦しくて頭がじぃんとしてくる。


空気を求めて離れようとする私を彼の唇が許してくれない。


漸く解放されたかと思うとその唇は私の首筋、鎖骨へと滑っていき、そして既に乱れつつあるブラウスの裾から差し込まれた手が私のブラを乱暴に押し上げる。


敏感な部分を軽く刺激され「っ…」思わず声が漏れる。


その途端、彼の手が止まった。


カウンターに座らされた私を気まずそうに見上げる彼。


「ヤバ…、がっつき過ぎだよね、俺。これじゃ、ガキ丸出し。恥ず…」


そう言いながら後ろ頭を掻く。


短く切り揃えられているものの、きっと今もその髪はフワフワと柔らかいのだろう。


その姿をじっと見ていると、


「俺んち、…来る?」


照れた顔で言い、その唇は素早く私の唇を掠めた。


チュッと言う音を立てて。


これじゃぁ、返事も何も…。


私は照れながらも首を縦に振った。


それから私達はしっかりと戸締まりをしてポストに鍵を落とすと漸くBARを後にした。