「なんか、色々と悪い。」


「謝ってばかりだね。普段、偉そうな癖に。」


大きな体のケンイチが隣で縮こまる姿を見ていると可哀想になってきて、いつも通りの憎まれ口を叩いてみる。


「一言余計だっつーの。」


同じく三角座りして膝を抱えその腕に頭を付けていたケンイチはそう言いながら顔をこちらに向けた。


いつものケンイチなのにいつもと違うケンイチ。


落ち込んだかと思えば復活して、拗ねたかと思えばそんな甘い目で私を見つめてくる。


「俺、お前といると抑え効かなくって。ゲームしたりお前を怒らせるようなバカな事いって誤魔化してたんだけど…なんかもう限界だなって、それでさっきつい…。」


「ついって…」


「俺らって結構、二人でいる事が多いし、なんかお前も俺の事、好きみたいだしそしたら俺ら何の障害もないし、好き勝手し放題だしーー」


「し放題ってねぇ。」


「だからだよ。だから、歯止め掛けるためにも…わざとお前の気持ちに気付いてないフリしてた訳。」


「そんなぁ…」


ケンイチ、結構、モテるし誰かが告白する度に胸がチクチク傷んでたのに。


「まぁ、俺なりにお前を大切にしたかったんだ。だけど、こうしてお互い素直に気持ちを打ち明けた訳だし…」


「訳だし?」


「キスしていい?」


ほら、また。


子供みたいな事、言ってるかと思えば急にこんなにも男の子の顔を見せる。


断れる訳ないじゃない…


ってもう唇、塞がれてるし…


「んっ…」


優しく触れるようなキス


愛しいって思いが伝わってくるようなキス


だから私もこの思いを伝えるようにそのキスに応える。


「ぅん…っ」


















「あー、もぉー、お前、なんなん?そんな声聞いたら押し倒したくなるだろがっ。やりてぇー、今すぐお前とやりてぇーっ。」