「あっ…」
その途端、私のお腹辺りに何やら硬いものが…
「ぎゃっ」
咄嗟にケンイチを押し退けその勢いでベッドから落ちた。
「おい、大丈夫か?頭打ってない?」
正座して妙に前屈みの変な格好でベッド上から覗き込むケンイチ。
「う、うん…。大丈夫。」
ゆるりと起き上がり気まずさにベッドに持たれるように座りケンイチに背を向ける。
「…引いた、よな?」
「うん…、引くっていうか…びっくりして。」
だからといって…
「嫌いになった?」
不安げな声が背中越しに聞こえてくる。
私の事を好きだって言ってくれたケンイチ。
聞いたことのない甘い声で囁くケンイチ。
切ない目で私を見つめるケンイチ。
唇から伝わるケンイチの熱…
どれもが初めて知るケンイチで、ケンイチじゃない気がするけれど、だけどどれもケンイチであって…
そして、
ケンイチがちゃんと男の子なんだって知った私。
正直、戸惑っているけれど…
「ううん、嫌いになんかならない。嫌いになんてなれないよ、今更。何年好きだったと思ってんのよ。」
未だ振り向けず膝を抱え座ったまま答えると
「良かったぁ…」
と、ケンイチ。
思わず振り向いたものの視線を慌てて逸らす。
そんな私を見て
「ごめん。もう大丈夫だから。だから…隣、座っていい?」
「えっ?あっ、うん。」
ベッドに背中を預けて座る私の隣にケンイチもおずおずと腰を下ろす。
これまでもこういう風に座る事なんていくらでもあるのにまるで初めてこんなにも近づいたみたいにドキドキが収まらない。



