あなたにspark joy

定時で仕事を終えた南ちゃんは、デザインタフに出向した私を心配して飲みに誘ってくれたのだけど、あいにく私は残業だ。

『佐伯グループの御令嬢で美人?!その上性格まで良かったら私は神を呪うわ!』

吐き捨てるようにそう言った南ちゃんの口調で、彼女が電話の向こうで眉を寄せているのが分かる。

『でもまあ、佐伯さんがそう言ったのは、第六感じゃない?シックスセンスよ。あとは牽制だね』

「シックスセンスはまだしも、牽制とは……」

私が眉を寄せて嫌そうに言葉を返すと、南ちゃんがシラケた声で言った。

『鈍いアンタには理解できないかも知れないけど、何となく匂うんじゃない?ああ、この二人にはなにかあったな、もしくは、なんか起こりそうな予感がするな、みたいな感じで』

そう言われると返す答えが見つからなくて、私は黙りこんだ。

『誰かを好きになるとさ、その人を取り巻く全てのものに敏感になるんだよ。人にも物にもね。多分佐伯さんは、真優に篠宮さんをとられたくないんだと思う。ヤな女だとは思うけど、好きな人をとられたくないって気持ちは理解できるな』

それは、私も分かるけど……。

でも私は、その敵意にも似た感情をぶつけられるのは納得できなかった。