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週明け。

「フフフフフ!真優にしては想像以上の面白さだわ!どストライクのイケメンを噴水に突き落とし、再会を果たした途端に水浴びしたせいで二人仲良く発熱し、やむなく泊まった彼のベッドで抱き合って眠った翌日に元カレと遭遇!しかもその元カレが、今彼にしたい男のイトコときたもんだ!!」

「こらーっ!ちょっと違う!まず水浴びじゃない!しかも私は別に篠宮さんを今彼にしたいわけじゃないし!」

さっさと牛丼を完食した南ちゃんが、私をシゲシゲと見つめてニターっと笑った。

「ねえ、高広君って確か、イケメンだったよね!?一度会ったことあるよね、私」

「……まあ」

確かに高広はイケメンだと思う。

あの頃は週三でジムに通ってて体型にも気を使ってたし。

「ねえ、なんで別れたんだっけ?!そんなに落ち込んでなかったよね?」

南ちゃんはこれ以上ないというくらい、私の恋愛話に興味津々だ。

……南ちゃんだけならまだしも、カウンター席しか空いてなかった為に、隣のおじさんまで私の話に釘付けという事実。

「もう、南ちゃんたら!出るよ」

カウンター席から立ち上がりながら私がそう言うと、南ちゃんは慌ててお茶を一口飲んで頷いた。