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……んー……。

なんか微かに、イイ匂いがする。

なに?スープ?分かんないけど。

そういや、凄くお腹が空いてる。

でも……ここは……。

……は?

ゆっくり眼を開けると見慣れない部屋の中が眼に飛び込み、私は思わずガバッと起き上がった。

直後に目まぐるしく昨夜の出来事を思い返す。

ちょ、ちょっと待てよ確か……確か……。

「起きた?」

「きゃああっ!」

急にドアがガチャリと開いたかと思うと、篠宮慶太の声がして、私は驚きのあまり叫んだ。

「あ、あのあの、ご迷惑かけてごめんなさい」

ベッドで身を起こして私がそう言うと、ドアから部屋を覗いた篠宮慶太がフウッと笑った。

それからおもむろに部屋の中に入り、ベッドに腰かけると私を見つめた。

「ちょっとごめん」