****

……寒い……。

私はモゾモゾと温かいものを探しながら動いた。

「こっちおいで」

その時誰かの声がして、腕を引かれた。

その腕が背中に回ると、ギュッと抱き締められて私は思わず微笑んだ。

「あったかい」

ああ、たとえ夢でも幸せ。

だって凄く寒かったし、こういうのは久し振りで……。

声の主はクスリと笑うと、

「心配ない。抱いててやるから、寝な」

「高広……気持ちいい……ずっと抱いてて」

「……ああ」

…………。

あれ私、高広とは半年前に別れて……。

……夢か?これは。

そうだ、夢だ、多分。

夢ってホント奇妙だよね……。

そんなことを思いながら、ウツラウツラと再び私は眠りの中へと落ちていった。