お借りできるのはありがたいけど、素っぴんをさらけ出すような間柄ではないわけで……。

だけど、化粧はきちんとおとして寝なきゃ肌に悪くて……。

一段と悪寒とダルさが増していくなか、もはや思考回路もまともかどうか定かではない。

す……素っぴんは見られたくない。

でも肌トラブルは避けたい。

関節がギシギシする。

借りたこの服に着替えるのが精一杯……。

私はヨロヨロしながら、教えてもらったバスルームへと向かった。

着替えるだけで息が上がるなんて、ほんとに病気だわ、私。

逞しいだけが取り柄なのに……よりによってこんな時に……。

着替え終わると私は、ヘナヘナと脱衣場の床へとヘタリ込んだ。

……もう……いい。

考えるのも……疲れた。

私は、よく知りもしない男性宅で一夜を明かす羽目になってしまった事への罪悪感を胸に、ゆっくりと眼を閉じた。