あなたにspark joy

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「……昨日の事だけど」

佐伯さんがこう切り出したのは、仕事が始まって一時間程経った頃だった。

「なんでしょう」

異様に素早い私の切り返しに、佐伯さんは素早くこちらを見た。

エクステ睫毛に飾られた美しい瞳が私を見据える。

「あなたって嘘つきね」

……嘘つき。

意表を突いた佐伯さんの発言に、今度は私が眼を見張った。

「……慶太とは無関係って言ったわよね?ならどうして昨日慶太に会いに来たのよ」

……きた。

「……靴を預かっていただいていたので、それを取りに伺ったんです」

私の言葉に佐伯さんが溜め息をついた。

「ごまかさないで。イライラする」

彼女の吐き捨てるような口調に、喉の奥がしまる。

私だって……こんなこと聞かれたくない。

でも、これ以上ごまかして、軽蔑されるのももううんざりだ。

このままじゃ佐伯さんは多分納得しないだろう。

佐伯さんの、白黒つけないと我慢ならないといったような態度に、私は観念して作業の手を止めた。

「佐伯さん。正直に言います」