上山さん?あの上山さんがミス?
信じられなかった。
私は、石井くんの件で上山さんに怒鳴られたのを思い出しながら金田さんの話に耳を傾けた。
あの、仕事に対して怖いくらい厳しい上山さんが……。
「なんでも、溶接したての金型を現場の外に放り出して帰ったみたい。冷え込んだ上に夜中から雨が降りだしてさ」
……確か今朝はこの季節らしからぬ、真冬並みの冷え込みだったって、朝のニュースで……。
溶接の規模にもよるけど、寒空の中に溶接したばかりの金型を放置していたら急激な温度変化に耐えられず、割れる可能性はおおいにあり得ることだ。
「上山さんが、ミスなんて……なにかあったんですか?」
私がこう言うと、金田さんは沈黙の後、こう言った。
『上山さ、年の離れた弟がいるんだ。その弟がバイク事故起こして意識不明になっちゃってさ。アイツ慌てて病院に駆けつけたんだ。で、任されてたイレコをそのままにして……』
「このまま待ってください。考えます」
『え?真優ちゃん?』
考えろ、考えろ、私。
信じられなかった。
私は、石井くんの件で上山さんに怒鳴られたのを思い出しながら金田さんの話に耳を傾けた。
あの、仕事に対して怖いくらい厳しい上山さんが……。
「なんでも、溶接したての金型を現場の外に放り出して帰ったみたい。冷え込んだ上に夜中から雨が降りだしてさ」
……確か今朝はこの季節らしからぬ、真冬並みの冷え込みだったって、朝のニュースで……。
溶接の規模にもよるけど、寒空の中に溶接したばかりの金型を放置していたら急激な温度変化に耐えられず、割れる可能性はおおいにあり得ることだ。
「上山さんが、ミスなんて……なにかあったんですか?」
私がこう言うと、金田さんは沈黙の後、こう言った。
『上山さ、年の離れた弟がいるんだ。その弟がバイク事故起こして意識不明になっちゃってさ。アイツ慌てて病院に駆けつけたんだ。で、任されてたイレコをそのままにして……』
「このまま待ってください。考えます」
『え?真優ちゃん?』
考えろ、考えろ、私。


