あなたにspark joy

ギクリとした。

だって先日と同じように、前田さんの眼が少し怖かったから。

でも……図面はどうしても納めたい。

私の脳裏に佐伯さんや篠宮さんの顔がよぎる。

デザインタフに出向した初日からミスなんて絶対に嫌だ。

これも仕事だと思えば……耐えられなくもない。

納期を守れない方が嫌だもの。

私は心の中で深呼吸をすると、ゆっくりと前田さんを見上げて微笑んだ。

「是非、一緒に中に入れてください」

前田さんが眉をあげて驚いたように私を見た。

「じゃあ……このあと……」

「はい!私でよければ飲みに付き合わせていただきます」

ニッコリと笑って前田さんを見つめると、彼はゴクリと喉を鳴らした後、小刻みに頷いた。

「う、うん、分かった。じゃあ、い、一緒に」

シリアルIDを押す前田さんの右手がわずかに震えていて、私は思わず眉を寄せた。

……こんな前田さんは見たこともない。